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一色邦彦 《 語らい-鳩と少女 》 蝋型ブロンズ彫刻 1981年作 黒花崗岩台石付
商品の説明
一色邦彦 《 語らい-鳩と少女 》 蝋型ブロンズ彫刻
1981年作 黒花崗岩台石付
数ある出品商品のなかから、私どもにご注目いただき有難うございます。
どうぞご賢覧いただきますようお願い申しあげます。
【タイトル】
これぞ ザ 彫刻
一色邦彦 《 語らい-鳩と少女 》 蝋型ブロンズ彫刻
1981年作 黒花崗岩台石付
【商品の説明】
一色邦彦 1930(昭和5)年生-2021(令和3)年没、享年87
一色邦彦先生は東京に生まれ、9歳で両親の故郷茨城県土浦に転居します。
少年期、父の彫刻家・一色五郎に手ほどきを受けていましたが、東京芸術大
学彫刻科に入学します。ご夫人は東京芸術大学日本画科ご出身、ご子息も同
大日本画科のご卒業と実に三代続く芸術家ファミリーです。
東京芸術大学彫刻科を卒業の年、新制作協会展に初出品し、新作家賞を受賞
しました。以降連続して同展に出品し、1964年に新制作協会会員に推挙され
ました。その後も第9回高村光太郎賞、宇部市野外美術館賞、第4回長野市野外
彫刻賞を受賞されるなど、東京芸術大学彫刻科の神童ぶりを発揮されます。小
品から大作まで幅広く制作され、屋内外に多くの作品を設置されました。デッ
サンにも卓越した表現力を発揮され、また装身具なども手掛けられました。
日本の具象彫刻の動向を示す「現代彫刻・1980年代の作家たち展」(東京、
仙台)に選抜されたのは、それまでの活動と今後の発展を期待してのことで
す。東北新幹線仙台駅構内の大レリーフ、東京証券取引所の壁面レリーフ、
北海道砂川市の開基100年モニュメントなど、国内各地に一色芸術を代表する
大作を制作・設置されました。2021(令和3)年に亡くなられましたが、晩年か
ら構想・制作をすすめていました高さ10メートル余の群像作品の設置を実現す
ることができなかったのは残念です。
本商品は彫刻芸術の楽しみが凝縮されたブロンズの小品です。
はじめて彫刻作品をご覧になられる方にも、「これぞ ザ 彫刻」とおすすめ
できる佳品です。掲載写真からもご理解いただけるかと存じますが、動きと緊
張感ならびに量感のある蝋型ブロンズ彫刻です。彫刻家オーギュスト・ロダン
のダンスのムーヴマンの連作彫刻(25点ほどあります)、また、踊り子の絵で
有名な画家エドガー・ドガが晩年に制作した踊り子の彫刻作品(70点近くあり
ます)が思い浮かぶかもしれません。
詩人であり彫刻家でもある高村光太郎は、四方八方からみて成り立たなけれ
ば彫刻でないと語っていますが、言い換えますと、いかに正面美人の彫刻作品
が多いかと述べているわけです。つまり、ある方向からみて上手くできた作品
でも、すこし角度をずらしてみると彫刻として成り立たない作品が多いと高村
光太郎は厳しく指摘しているのです。
一色先生は、ある美術雑誌の対談で1973年制作の小さな作品について「緊
張感に満ちた平衡感覚の差、あるいは重力の法則を予想させる構成もなく、中
立的、数学的形態の如く作用し、平面構成を持ち、空間の中に勝手に置かれて
いる」と述べておられます。本商品はそれから10年ほど後に制作されましたが、
比較的規模の大きな個展図録のなかで美術評論家の本間正義先生は、「たいへ
ん難しい説明をされていますが、従来の『重量』からとき放つ意味で、中立的
なのであり、図面の上でひかれた形のような観念的な軽さの故に数学的なので
あり、地面に定着していないが故に、空間に勝手に置かれるといつているのだ
と思われる」と解説されています。お二人の言葉を原文引用しましたが、私に
は難解至極です。
難しいなりにお二人の言葉を考え、ロダンやドガの彫刻、ならびに、光太郎
の指摘を鑑み、本商品の掲載写真は、作品をぐるりと回転させ八方向から撮影
しました。私どもの撮影技術では、作品の素晴らしさをお伝えできますかどう
か、大変心配ではありますが。(恐らく)バランス・動き・美しさは完璧に近
い彫刻作品と存じます。小さな蝋型ブロンズ作品ですが、彫刻芸術のよさや見
どころが詰まった佳品と理解いたします。彫刻家は作品をつくる時、彫刻台の
上で粘土付け作業をしますが、人が粘土作品の周りをまわるのでなく、彫刻台
が回転するような工夫があり、彫刻台を足で蹴って全角度から作品を見、そし
て制作をすすめていきます。幸いにも、この時の個展図録に作家プロフィール
として本商品の制作風景写真が掲載されていますので、冒頭の写真資料をご参
照ください。
少し回りくどいご説明になりましたが、本商品は実に小さな彫刻作品であり
ますが、先にご紹介いたしましたロダンのダンスの連作、ドガの踊り子の連作
と肩を並べうるものと存じましたので、拙い解説をいたしました次第です。本
商品は、彫刻芸術のたのしみがいっぱい詰まった珠玉の蝋型ブロンズ彫刻と存
じますので、ご注目いただけましたなら幸いに存じます。
本商品は、ちいさな蝋型ブロンズ彫刻ですが一色邦彦芸術を代表する、お手
元に置いていただき、彫刻芸術の魅力を十二分にお楽しみいただける作品とご
推奨申しあげます。
【略 歴】
いっしき くにひこ
1935(昭和10)年 東京に生まれる。
1960(昭和35)年 東京芸術大学彫刻科を卒業。 新制作協会展に初出品、
新作家賞を受賞。
1962(昭和37)年 同彫刻専攻科修了、副手になる。
1964(昭和39)年 新制作協会会員になる。
1966(昭和41)年 第9回高村光太郎賞を受賞。
1967(昭和42)年 第2回現代日本彫刻展(宇部)に出品、福岡県文化会館賞
を受賞。
1970(昭和45)年 第2回現代彫刻展(神戸市須磨離宮公園)に出品、宇部市
野外美術館賞を受賞。
1971(昭和46)年 文化庁芸術家在外研修員として一年間滞欧。第6回昭和
会展(日動画廊)に出品、林武賞を受賞。
1972(昭和47)年 第3回現代彫刻展に出品。
1973(昭和48)年 第1回彫刻の森美術館大賞展(箱根)に出品。第4回中原
悌二郎賞優秀賞を受賞。
1975(昭和50)年 第1回七刻展(現代彫刻センタ-)に出品(’84年まで毎
年出品)。第2回彫刻の森美術館大賞展(箱根)に出品、
優秀賞を受賞。茨城県芸術祭展で木内克賞を受賞。
1976(昭和51)年 頭像展(彫刻の森美術館、箱根)に出品。第4回長野市野
外彫刻賞を受賞。
1980(昭和55)年 個展(現代彫刻センター)を開催。
1982(昭和57)年 第2回高村光太郎大賞展に出品、美ヶ原高原美術館賞を
受賞。
1983(昭和58)年 横浜市綱島にシンボルモニュマン2体を設置、同設置記
念展を開催。
1984(昭和59)年 千葉県館山市彫刻の径に《慈・愛・訓の像》を設置。
1985(昭和60)年 茨城県谷田部町公民館に《みなのね》を設置。筑波国際
環境造形シンポジウム’85に参加。
1986(昭和61)年 牛久市に《愛よ永遠に》を設置。
1987(昭和62)年 個展(常陽藝文センター)を開催。
1988(昭和63)年 東京証券取引所に《集いのとき》(壁面レリーフ)を設
置。
1989(昭和64、平成元)年
仙台市彫刻のあるまちづくり<杜と彫刻>第12作品《季
の杜に》を同市内の勾当台公園に設置、同設置記念展を
開催。
1990(平成2)年 高知市自由民権記念会館に高知市制モニュメント《礎は
今》(レリーフ)を設置。砂川市オアシスパークに砂川市
開基100年モニュメント《砂川賛歌》を設置。札幌芸術
の森野外美術館に《彩霞燈》を設置。
1991(平成3)年 東京湾大井海浜公園に《碧翔》を設置。個展(日本橋、
なんば高島屋)を開催。
1992(平成4)年 個展(松坂屋名古屋本店)を開催。
1993(平成5)年 東京大学工学部客員講師を務める(’96年まで)。
1996(平成8)年 茶の湯への試みー現代彫刻11人展(松坂屋名古屋本店)に
出品。
1998(平成10)年 彫刻と版画展(神戸そごう)を開催。
2001(平成13)年 「21世紀のモニュメント 一色邦彦展―彫刻とデッサン
(茨城県つくば美術館)を開催。
2021(令和3)年 逝去、享年87
【主な公的所蔵機関】
茨城県近代美術館、北海道立旭川美術館、常陸太田市郷土資料館、日立
市立郷土博物館、福岡県立美術館、笠間日動美術館、栗田美術館、彫刻
の森美術館、美ヶ原高原美術館、札幌芸術の森野外美術館、JR仙台駅コ
ンコース、国際輸出入銀行、JR浜松町駅コンコース、東京証券取引所、
山梨県自治会館、高知市自由民権記念会館、東京湾大井海浜公園ほか
土浦市、沖縄県沖永良部島、神戸市、横浜市、長野市、館山市、佐倉市、
牛久市、つくば市、姫路市、仙台市、砂川市ほか
商品について
【寸 法】
《 語らい-鳩と少女 》
商品本体:20×8×15cm(縦×横×間口)
黒花崗岩台石付:1.3×11×13cm(縦×横×間口)
総重量:2,300g
*黒フェルト貼台石に交換、作品と台石は固定。
本商品は一点です。
箱はありませんが、作品養生のうえ、輸送には万全を期します。
詳しくは掲載写真にてご確認ください。
【商品の個数】
個数は一点です。
【商品の来歴】
個人
【商品発送元の地域】
神奈川
【出品歴】
1989年 仙台市彫刻のあるまちづくり<杜と彫刻>第12作品
《季の杜に》設置記念展
1983年 横浜市綱島シンボルモニュマン設置記念展
作品完成後間もない蝋型鋳造とのことです。
大切に保管された四十数年の静かな経年変化により、作品全体から良好な
コンディションを感じます。
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